わたしが常に考えているのは、「税理士の仕事はカーナビのようなものだ」ということです。経営者の方が会社という車を運転する時に、より的確なドライブができるようサポートする仕事です。

カーナビは自動車の運転はできません。
しかし、ドライバーにとってとても心強く、便利なものです。
ぜひ、うまく活用して快適なドライブをしてください。

まずは自分がどこにいるのかがわからなければ始まりません。
例えば同じ東京へ向かうにしても、今、兵庫にいるなら東へ向かわなければなりません。北海道にいるなら南へ向かわなければなりません。
御社が今、どこにいるのかの立ち位置を把握するGPS。その働きをするのが日常的な会計業務です。正確な会計を行うことで、御社の正確な現在地を把握します。

そのために、はじめは書類の整理からご説明します。
書類の整理というのは、みなさん、意外に我流でされていて、「これでいいのかな？」と思いながらそのままになっているケースが多いようです。
御社にとって役立つ整理のしかた、そして税務調査に強い整理のしかたをご説明いたします。

そして、その資料をもとに、御社の現在地を把握するためのデータを入力していきます。

会社がどこへ向かいたいのか、そしてどのように向かいたいのか。
その希望は経営者の方の心の中にあります。カーナビでは、向かいたい目的地を入力すれば、その目的地までの道のりが提示されます。その働きをするのが経営計画です。

目的地まで向かう方法も人それぞれです。
高速道路を使ってできるだけ早く向かいたいのか、それとも下道を走ってゆっくりと向かいたいのか、はたまた寄り道をしたいところがあるのか。
そのような向かう方法も取り入れて、ドライバーである経営者の方が望む道のりを、経営計画の策定を通じてご提示いたします。

現在地がわかり、走っていく道のりが決まったら、いよいよ運転開始です。

ただ、ナビはあくまでもナビです。
運転をされるのはドライバー。会社では経営者の方になります。近年、自動運転というものが出てきたので、この例えも使いにくくなってきているのですが、やはり会社の運営・運転においては、ドライバーである経営者の方にしっかりとハンドルを握っていただきます。

当初予定していた道からズレてしまった場合、カーナビでは走る予定の道を修正し、改めて目的地までの道のりを提示します。
その働きをするのが月次巡回監査です。

毎月、御社を訪問し、当初計画した道のりと合っているか違っているかを確認し、経営者の方と一緒に微調整し、改めて道のりを策定します。
この繰り返しにより、ドライバー＝経営者が向かいたい目的地へ、ともに走ってゆくのです。